3本目

伊丹十三「静かな生活」は、たぶん実家にいた時代にそれこそレンタルビデオで観た、ビデオで。

それはもう20数年前の話。もう、本当にどこもかしこも覚えていなかった。

自分はそれを観ていないのではないか? とすら思う。

ひょっとして今回が初見だったのかもしれない。

でも、いかにもぼくの好きそうな映画だから、

レンタルビデオ狂していたあの時代に、これをスルーするはずがない。

観たのか観ていないのかわからないというこの現象がすごい。

 

 

さて2020年に観たそれは、とても不思議だった。

観終わってしばらくしてからミッチーに感想を聞くと「なんの映画かよくわからなかった」と言っていたが、同感。

いろいろ盛り込まれていたが、盛り込まれているからか、

果たしてこれはなんの映画なの? だし、

こだわり男の伊丹さんだけれど、この映画を作りたいと思って作ったのかな? とも思った。

 

個人的にはストレンジな映画だったけれど、とはいえ嫌いではなかった。

むしろ、その世界は居心地が良くて、まだまだ観ていたい感じ。好きな世界だった。

伊丹映画って、伊丹ワールドという感じ。

本人の美意識とか知性とか、センスみたいなものが徹底されていて、

だから、どれも嘘みたいに思える。ザ・フィクション。

その、現実を模して構築された架空の世界が、ぼくは好きなのだな、とあらためて思った。

 

宮本信子の、

なんでもない人として生まれ、なんでもない人として生きて、なんでもない人として死んでいく。

というセリフが心に残った。

 

なんでもない人として生きる。

 

映画には、なんでもない人ではない人がたくさん出ているけど、

でも、わからないが、なんでもなくなく見える人も、本人はなんでもない人なのかもしれぬ。

 

DVDを所有したいとは思わないが、

10年とか20年とかしたらまた観てみたいな、とか思う。

 

あ。この間の「パラサイト」は、もう完璧って感じに整っていたけれど、ああしたものよりも、

こうしたちょっとよくわからなかったり、いびつだったり、破綻していそうな世界がぼくは好きなのかもしれない。

 

そして、主役の若かりし渡部篤郎がひたすらキュートだった。

渡部篤郎を初めて知った「愛の天使」という昼ドラ、超好きだったなー。


コメント
コメントする








   

CALENDAR
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< October 2020 >>
CATEGORIES
ARCHIVES
SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENT
PROFILE
SEARCH THIS SITE.
MOBILE
qrcode