午後

 

雨が降りだして、家の中はますます薄暗い。

ミッチーは雨の降りだす一分前、この梅雨に修理した褪せた黄緑色の自転車でどこかへ。

スーパーかしら。濡れてしまったからだは、冷えたスーパーで冷えないかしら。

ぼくは優雅に音楽を聴いている。

どう発音していいかわからない、たしかブラジルの人の本当に美しい歌を。

今日が、地球の最後の日みたいな気持ち。

 

昔にみたテレビドラマを思いだす。

なんといったっけ、神はサイコロを振らない、そういうドラマ。

時空を超えて、飛行機の事故で亡くなったはずの人たちが数十年後に現れて、

でも彼らは実は期間限定のよみがえりで。

ドラマの結末が思い出せない。

彼らは筋書きどおりに、ふたたび死んで、消えてしまったのか。それとも。

 

なにもない。ただ自分の意識だけあって、その意識は薄暗くて神々しい雨の午後を完全に受け入れている。


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