回路

 

きっかけはいつも唐突だった。

ふとした誰かの言葉や道でつまずくようなちょっとした行き違い。

クリックする場所を間違えて運命的な出会いが待っていたこともある。

それなのに何故、信じないのだろう。

どうして自分がぜんぶを支配し、すべてを理解していないと気が済まないのだろう。

 

きっかけは時に闇の入り口だった。

激しい後悔は夢の中まで追いかけてくるほど僕を苦しめた。

しかし、ドン底に達すると第三の道が見えるのだった。

否定でも肯定でもない中庸の道。

それが自分の世界を根本から刷新してくれた。

 

今、立ち止まっている。

あたりはしんと静まり、無風。

心だけがざわざわと波立っている。

選ばなくては、決めなくては、進まなくては。

 

選ばないことも決めないことも進まないことも本当はできない。

動く歩道のように、ベルトコンベヤーのように、どうしたって明日へ運ばれてしまう。

 

焦って急いでどこへ行くつもり?

あなたは何になりたがっているの?

どうしてそんなに自分が許せないのかしら。自分の何が不満?

 

僕は夢を見ているのかもしれない。生まれてから今日までずっと。

あるいは催眠にかけられているのかもしれない。

 

自分をこんなにもすり減らし、身を粉にして、誰を幸せにできるというのか。

シリアスな自分をあまりにも馬鹿らしく思えた。

笑ってみた。

ひとりで笑う自分がおかしくて笑えてきた。

全身に血が通いだし、その輪が肉体をはみでて広がり、光のシールドができた。

 

自分と佇みなさい。

 

追伸のように告げて女は、青い光となって消えた。


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