new born

 

きのう展示からごきげんに帰ると猫が一匹死んでいた。かみちゃん。

 

あれはいつのことだったんだろう、ひと月、いや、ふた月前?

かみちゃんはオシッコが出なくなって衰弱していき、

一晩、全身全霊で手当てをしたけど回復せず、

そのまま入院、手術という流れをたどった。

 

楽観的に、手術をすれば治るだろうと信じきっていたけれど、

かみちゃんは、元気にはならなかった。

それでもいいか。生きていてくれればもういい。

そう思った。

 

そんなかみちゃんが、きのうの午後あの世に旅立っていった。

 

人生であんな風に蕎麦をすすったことは初めてだった。

泣きながらご飯を食べたことがある人は強い。

たしかそんなセリフが、好きだったテレビドラマにあった。

なんか、わかる。って思った。

 

うんと泣いて、悲しんで、今日もまだ亡骸を見ればこみ上げるものはあるけれど、

ずっと泣いた後みたいな頭痛もあるけれど、

でも、すがすがしくもある。

 

かみちゃんは、花に囲まれた姿で台所にいる。

ふだん花なんて全然ないわが家なのに、

ちょうどこの間の展示でたくさん花をいただき、

かみちゃんは、赤い花と白い花にはさまれて眠っている。

 

残された者は勝手に解釈をしていい自由がある。

 

かみちゃんは、幸せだったと思う。

ちゃんとこの日を選んでいったんだと思うな。

 

泣いていてもやっぱりぼくはおしゃべりみたい。

あとからあとから言葉があふれでた。

 

ごはんを食べるテーブルで、みっちーと向き合うように座って、

昨夜はべつべつの作業をした。

ぼくは絵を台紙に貼ったり、彼は刺繍をしていた。

ふしぎな幸福感があった。

 

今日と明日の展示は、ふってわいた話で、

なんにも意図をもたず、たゆたうように時間をみつけて、ただただ思い浮かぶままに絵を描いた。

 

今回は写真をコピーしてその上に花やら性器やら描いている。

写真は、赤ちゃん、カレ、友だち、セルフィーなどいろいろ。

きのう、いちおう完成と思えた形になり、

これを人に見てもらっていいのかな? と思った。

あまりにもパーソナルなのだもの。

でも、それが今日のぼくの表現なんだな。

 

2日間の展示会のぼくのテーマは一期一会です。

 

かみちゃんの死はぼくに早くもたくさんのことをもたらしてくれていて、

そのいちばんにあるのが、終わりがくる、ということ。

 

実はこれが最後なのかもしれないのだから、ちゃんと会おう。

出会った人と、もっとちゃんと向き合おう。

ちゃんと向き合うというのは、恐れず恥ずかしがらず自分の真実を表現することなんだと思う。

 

そういうわけで、ぼくはきのう死にけさあたらしく誕生した、あたらしい私です。

 

お時間ありましたら、展示に遊びにいらしてください。


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