雨が街を洗い流していく。浄化の雨。この雨でたくさんの植物が息を吹き返す。傘を売る店の主人が張り切る。動物園の動物たちも嬉しそう。あの家のやっと歩けるようになった小さな男の子は一心不乱に窓から外を眺めている。ちくしょー、雨かよ、なんて言いながら、吸いかけのタバコを投げるように捨て、濡れない場所へと走るサラリーマンの姿。大好きな体育の授業ができなくて凹む男子たち。雨は、平等。晴れも平等。平等にその土地に生きる人々に空は、地球は、雨や風や雷や雪や風やかんかん照りや吹雪なんかを与え続ける。飽きないように、生きることに退屈しないように、すべて一回限りの大盤振る舞いのアート。それを、今日の、たったの今の自分の都合で舌打ちすることの身勝手をどれだけの人が自覚しているのだろうか。その姿勢で生きて出会う出来事に善し悪しをつけることに何の意味があるのだろう。雨はまだまだ降り続き、街は傘のカラフルな表情。真っ赤な傘、水玉、ビニール傘の蛍光色。上らか見たらどんな模様を描いているのだろう? そんな想像をしながら、珍しく今日は歩いて家に帰ったトオルさん。道中の草木がキラキラと輝く。いきいきと呼吸をしている。足下はグチャグチャ。靴のなかも水びたし。子供のころの気持ちをどんどん思いだしながら、若返りながら、わが家に到着し、すぐに風呂に入って寝た。

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